妻のコメント
夫とともに私も乗馬を始めましたが、決して夫に寄り添い支えることを目的に乗馬を続けているわけではないのです。私は私で、馬や「エオの谷」の方々との関係を築かせてもらうことができました。そして今では、スマーティという大切な家族を迎えることができ、とても幸せです。
私はレイニングの選手ではありませんが、大会の際にはスタッフの一人として参加し、大会でしかお会いできない方や、応援に駆け付けて下さる「エオの谷」の馬仲間の方たちとの交流を楽しんでいます。
競技者 三浦伸吾

| 名前 | 三浦伸吾 |
|---|---|
| 生年月日 | 1951年4月17日 |
| 競技歴 | 2年 |
| 障害 | 右半身麻痺、失語症 |
| 趣味 |
|

2007年のことです。教員をしていたのですが、その日はなんだか体調がすぐれず「風邪でもひいたかなぁ」と思って早退し、自宅で休んでいました。翌日もやはり起き上がることができず…。そのまま私は脳出血で意識を失い、気づいた時には病院に運ばれていたのでした。右半身麻痺と失語症という後遺症が残りましたが、一命は取り留め、約半年間の入院を経て、自宅に帰りました。
利き手が使えなくなったので、最初は爪を切るだけでも大変でした。けれど、掃除や洗濯、料理など、少しずつ自分でできることが増えていくのが、すごく楽しかったですね。道具を使いやすいように工夫したり、自分で作ったりもしました。
私の家族や周囲の人は、私のことを「超ポジティブ」と言います。きっとそうなんでしょう。できないことに落ち込むより「毎日できることを精一杯楽しもう」。そんな思いだったのです。

あるとき長男が、テレビで麻痺のある人が乗馬を楽しんでいるのを見て、私にも勧めてくれました。乗馬の経験は1度もなかったし、やってみたいと思ったこともなかったのですが、長男に勧められるまま、連れられるまま訪れたのが、「エオの谷」だったのです。
馬場で基本的な乗り方を教わってから外へ飛び出し、自然の中をトコトコと進むのは、他では味わったことのないような開放感。それに、いつの間にか先生は手綱を放し、一歩引いたところを歩いているではないですか! 一気に馬と仲良くなれたような気持ちになれたことを覚えています。それからは週1回か2週に1回くらいの頻度で、ときには妻も一緒に乗馬を楽しむようになりました。


夫婦共通の趣味として乗馬を続け、すっかりライフスタイルの一部になりました。それでも、今から3〜4年前に、妻が自分たちの馬が欲しいと言い出したときには、ちょっと驚きましたね。費用のことや責任を考えると、簡単には決められませんから。
「パラレイニング(障害者レイニング)に挑戦してみないか」という話をいただいたのも、ちょうど同じ時期。私は学生時代から音楽に打ち込んでいたので、スポーツにはあまり縁がなく、競技として乗馬をするなんて思ってもみませんでした。

その一方で、乗馬は好きだし楽しいけれど、ただ乗って散歩をするだけでは、何か物足りなさを感じるようになっていたのも事実です。パラレイニングで大会に出られるようになれば、障害があっても、年齢も関係なく、挑戦できるということを体現できる。もしかしたら教え子たちが見てくれるかもしれない。そんな風に、私の気持ちとパラレイニングがリンクし、そこからは一気にスマーティを迎える話が進んでいきました。
スマーティが私たちの元へくると早速、国際的なレイニング推進協会であるNRHAに選手登録をし、2015年の大会から出場しています。とはいえ日本のパラレイニング部門では、私がたった一人の選手です。より多くの方にパラレイニングを知っていただき、興味を持ってもらえると嬉しいですね。

レイニングはパターンを覚えないといけないので、失語症のある私には難しい部分も少なくありません。何よりも馬との信頼関係が大切なので、練習ではできたのに、大会本番になるとできないということだってあります。以前のように「馬に乗ること=楽しい」だけではなく、悔しい気持ちやもどかしい気持ちも味わっていますが、大会出場は私にとって大きなやりがいになっています。
私が感じているパラレイニングの魅力は、常に自分自身の成長が問われるところ。限られたパターン(パラレイニングは2種類)の完成度を追求していく競技なので、他の人と比べることよりも、まずは自分自身なのです。
スマーティとパートナーになって数年。先生方からは「少しずつ、いいコンビになってきた」と言っていただいています。もっともっとスマーティのことを理解したい。そして競技者としても向上していきたい。今はそんな風に思い、練習を重ねています。そして日本のパラレイングが、今より少しでも盛り上がっていくことを願っています。
夫とともに私も乗馬を始めましたが、決して夫に寄り添い支えることを目的に乗馬を続けているわけではないのです。私は私で、馬や「エオの谷」の方々との関係を築かせてもらうことができました。そして今では、スマーティという大切な家族を迎えることができ、とても幸せです。
私はレイニングの選手ではありませんが、大会の際にはスタッフの一人として参加し、大会でしかお会いできない方や、応援に駆け付けて下さる「エオの谷」の馬仲間の方たちとの交流を楽しんでいます。
競技馬 スマーティ

| 名前 | BETS ON SMARTY |
|---|---|
| 生年月日 | 2007年5月11日 |
| パラレイニング競技歴 | 2年 |
| 性別 | セン馬 |
| 生まれ | アメリカ/テキサス |